Lecture
速弾き教則 Web Sites for Shred Guitarists by -mmelo Takeshi Murakami-
http://mmelo.com/murakami/
レクチャーとは言っても、このサイト自体が“速弾き”というマニアックな世界のサイトなので、ここでいうレクチャー(講義)もまともなものでない事は言うまでもない。
大変にマニアックな視点での講義ではあるが、じっくり読んで、もし理解出来れば、なかなか面白く、ためになる内容だ。
練習に飽きて、ヒマな時にでも読んでみてほしい。
Training @
Training A
Training B
Lecture 1
Lecture 2
Lecture 3
Lecture 4
Lecture 5
Lesson @
Lesson A
Lesson B
Lesson @
Lesson A
Lesson B
Lesson C
Lesson D
Lesson E
Lesson F
Lesson G
Lesson H
5.
“完コピ” とは。
友人や仲間とバンドを組んで、好きなアーティストの楽曲を一生懸命練習をした事があるだろう。
一生懸命になりすぎるあまり、適当に練習する者、楽譜通りに忠実に練習する者、ある部分(特にギターソロ部分)を自分のオリジナルフレーズに変更する者・・・
色々いる。
ここではその中で、完全コピーを目指す事について、少々触れてみたい。
そもそも “完全コピー”(略して完コピ) とは、どこまで “完全” な “コピー” の事を言うのか。
完コピの重要性については賛否両論あり、別の議論となるだろうが、その議論はまた別の機会にするとして、
ここでは完コピの正しい意味について、考えてみたい。
考え方は2つある。
@市販されている楽譜や、雑誌に掲載されている楽譜に忠実に演奏する、という事。
Aアーティストの演奏、つまりCDの演奏と同じく演奏をする、という事。
さて、どちらだろうか。
これこそが重要な問題なのだ。
「同じ事じゃないか」と思う人もいるだろう。
しかし、全く違うのだ。
楽譜は、CDの演奏を忠実に譜面(音符)という形式で表現されている(忠実かどうかという点について例外は多々あるが、ここではあえて触れない)。
ならば、CDの演奏を忠実に書き記した “楽譜” つまり譜面通りに演奏すれば、それは完コピではないのか。
いや、そこが違うのだ。
アーティストが、コンピューターの様に、完全に正確に演奏しているという事であれば、それでも良いのだが、
ハードロックギターの速弾きギターソロの世界になると、アーティストでも少々のミスをしている。
その部分をも見抜くには、
何度も繰り返し根気よく聴く忍耐力と聴力、そして想像力、さらに、そのアーティストの癖を知る事、豊富なコピー経験、がモノを言うのである。
具体的に、何を言いたいのかというと、
よくあるケースで紹介すると、
1弦のソロにこんなフレーズがあったとする。
【×-17-15-13-12-15-13-12-10-13-12-10-8-12-10-8-10〜〜〜】
最初の×印は、楽譜にはよくあるミュート音(※注:場合によっては×印はアタック音だったり、任意のノイズ的な音だったりする場合もある)だ。
この楽譜を忠実に再現しようとした時、
つまり、上で言う @ の場合だが、
我々は×印のミュート音を適当に出してから、17-15-・・・・・と演奏する事になる。
×印部分を、CDを何度も聴いて、同じ様に演奏しようと必死になるだろう。
何度も何度も×印を弾いてみて、「違うなぁ、違うなぁ・・・」と練習を繰り返す事になる。
しかし、ちょっと考えれば、
『この×印は13フレットを弾こうとしたら、音がイマイチハッキリ鳴らずにミュートっぽくなっただけなのではないのか?』
と気付かないだろうか。
そこで、このフレーズを
【
13
-17-15-13-12-15-13-12-10-13-12-10-8-12-10-8-10〜〜〜】
と演奏することにしてみよう。
さて、どうなるだろうか。
CDでは、この部分のフレーズはミュート音から始まっているのに対し、
13フレットの音(ちなみに「ファ」の音だが)をしっかり鳴らして演奏してしまった事になる。
なんとなく、プロ以上の演奏をした感じもするが、
完コピという点から言うと、CDとは違う音となっているのだから、判定はアウトだ。
つまり、完コピではない。
では、どうすれば良いのか。
ここからが、このLecture 5 の結論だ。
まず、この部分だけにこだわるのではなく、楽曲全体を演奏してみてほしい。
とりあえず、×印を13フレットではないかと見当をつけた事に関しては、その自分の考えを信じる。
さて、重要なのは、曲全体だ。
特に、このフレーズの直前のフレーズはどんなフレーズだろうか。
直前にあるフレーズが、
例えば、6弦の【9-11-12-11-9-11-12-11-9-11-12-11-9-11-12-11】のようなフレーズだったりすると、
このフレーズの最後、つまり6弦の11フレットを弾いてすぐに、1弦の13フレットを弾く事になる。
弦も飛ぶし、なかなか難しい。
フレーズで区切ると比較的簡単でも、曲全体を通して演奏するとなかなか上手く弾けない事があるのはそういう事だろう。
さて、それでも、しっかり練習して、
6弦のフレーズから1弦のフレーズへと、スムーズに演奏できるようになったとする。
素晴らしい。
1弦の13フレットの音もしっかり鳴っているという事だ。
その状態で、何度も何度も、演奏してみるといい。
しっかり習得したのだから、
何度演奏しても、6弦フレーズから1弦フレーズへとスムーズに演奏出来るだろう。
CDでは1弦の最初は×印の演奏なのに、13フレットをしっかり演奏しているのだ。
これでいいのだろうか、と少々不安はあるかもしれないが、そこは自分を信じて、何度もそのまま演奏繰り返してほしい。
そのうちだんだん、
この部分の演奏も板についてきて、余裕になり、
立って演奏したり、別の事を考えながら演奏したり、友達の家で演奏したり。
そんな事を繰り返しているうちに、
「あっ、いま、1弦の最初の13フレットの音がしっかり鳴らなかった・・・」
という場面が、ある時、起こる。
これが “完コピ” (上のA)なのだ。
上のAは、×印をそのまま×印として演奏しようとするのではなく、
なぜ×印になったか、をたどって、アーティストと同じ状態を自分の手で再現する、という意味なのだ。
これが本当の完コピだと、考える。
このアーティストは、何も好き好んで13フレットの音をミュートにしたわけじゃない。
それは、6弦からの弦飛びでちょっとミスしやすい場所だった、とか、
曲の前半に超高速のピッキングがあって、手がちょっと疲れていた為に,後半のフレーズで、ちょっとミスをした、だとか、
様々な要因から、「×印」になったケースなのだ。
また、そのアーティストの手癖などにより、こうなる事もある。
歪んだ音におけるアルペジオの時にもよく見られる。
ここでのフレーズはひとつの例だが、
こんなケースは×印だけの話ではない。
6連譜が続くフレーズの中に一箇所だけ7連譜が入っていた、だとか、
フレーズとフレーズの間に、気になるgliss音が入っている、だとか、
そういう音を譜面通りに演奏しようとしても、妙にぎこちなく、変になる。
これらの場合も、
なぜこの部分だけ7連譜になっちゃったんだろうか・・・、
なぜここでgliss音が入ってしまったのだろうか・・・、を色々な角度から考える事、
それが完コピへ道には欠かせない作業なのだ。
さて、上でいう@をひたすら練習する事が、いかに無意味であるかという事がわかっただろうか。
楽譜の中に不自然な部分があったら、まずその通りに演奏する事よりも、
曲全体やフレーズの流れ、CDの音、アーティストの癖などをよく考え、
想像力を豊かにし、一歩上の練習をする事が完コピにつながるのだ。
アーティストと同じギターを買ったり、エフェクターによる音作りに凝ったり・・・。
そんな事は完コピとは別の段階の話だ。
まずは、演奏で、完全コピーをしてほしい。
アーティストと同じ場所でミスをした時の感動といったら、・・・無い。
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